スポーツをする女の子が増加 ローレウス・スポーツ・フォー・グッドの年次報告書で明らかに
ロンドン、本日公開したローレウス・スポーツ・フォー・グッド年次報告書では、これまで主に男性のものとされてきたスポーツや運動が、女の子や若い女性からも人気を博す存在へと変化してきていると報告されています。。
また、これまで主に男性のものと考えられてきたスポーツへの女の子の参加が増加しており、「男の子のスポーツ」と「女の子のスポーツ」を区別する概念は、もはや時代遅れになりつつあるのかもしれないことも示されました。
誰もが気軽に参加できるグラスルーツスポーツに積極的に参加している、または男性と同程度参加している女性が増加しており、ネットボールは73%、水泳は200%以上、ダンスは112%、バレーボールは11%、陸上では41%上昇しています。
一方で、伝統的に主に男性のものとされてきたスポーツへの女性の参加率は、サッカーで17%、バスケットボールで6%、ラグビーで18%、クリケットで13%減少しています。
この変化は、本日発行されたローレウス・スポーツ・フォー・グッド年次報告書内で、2020年に27万人を超える若者が参加した、250を超える世界各地のコミュニティスポーツプログラムをモニタリングした結果として公開されています。
この傾向は、これまで男性のものと見なされてきた多くのスポーツで顕著にみられますが、「スポーツ・フォー・ディベロップメント」プログラムに参加した女の子たちは固定観念にチャレンジし、思春期になるとスポーツをやめてしまうという確立されたパターンを克服しつつあります。
この一年間で参加者が最も増えたのはボクシングと武道で、52,624人の若者がローレウスのプログラムに参加しました。ローレウスは、一般的に男性優位とされていたスポーツに関して、主に女性を対象とした、あるいはすべての人にアピールするプログラムをいくつか支援しています。
ブラジルのLuta Pela Paz(Fight for Peace)は、リオデジャネイロのファヴェーラ(スラム街)であるマレ地区の16のコミュニティに住む若い女性を支援しています。このプログラムは、新型コロナウイルス感染症の流行による影響で、さらに困難な状況に置かれている女の子や若い女性を対象に、深刻化するジェンダーの不平等を緩和し、保護ネットワークを構築することを目的としています。
2021年ローレウス・スポーツ・フォー・グッド賞にノミネートされたBoxgirls Kenyaは、ボクシングを用いて、ナイロビの女の子たちが自分の権利について学べる安全な空間を作り、彼女たちのリーダーシップを促進し、教育を受ける機会を提供し、自尊心や自信を高めることで、女の子の権利向上に取り組んでいます。
これらの数字が示すのは、「女の子のスポーツ」や「男の子のスポーツ」といった考え方はもう古いということです。Boxgirlsなどのプログラムにより、古い固定観念が根底から変わってきており、たくさんの女の子や若い女性が、自分でスポーツを選びたいと思っています。
オリンピックのレジェンドでありローレウス・スポーツ・フォー・グッドのチェアマン エドウィン・モーゼスは、「この状況を革命と呼ぶにはまだ早いですし、この数字は私たちが支援するプログラムだけのものですが、考え方が大きく変わりつつあることを示す重要な証拠なのではないでしょうか」
「ローレウスの重要な柱のひとつにジェンダー平等への取り組みがあります。これは国連の掲げる持続可能な開発目標の一つであり、ローレウスのすべての全ポートフォリオにおいて考慮すべきことであると主張していますが、これは私たちが正しい方向に進んでいることを示すものです。」
「従来、女の子は思春期を迎えると、スポーツ参加率が大幅に低下していました。この傾向に対処するための重要な要素の1つに、スポーツの提供方法を変えることが挙げられます。『女の子が好きなスポーツ』を選ぶのではなく、その子たちにふさわしい、ニーズに対応した方法でスポーツを提供することが重要なのです。この数字は、ニーズに応えられている証拠なのです」とコメントしています。
ローレウス・スポーツ・フォー・グッドのプログラムへの女性の参加率は現在47.8%で、スポーツ全体における参加率よりも高くなっています。
また年次報告書では他にも、2020年のローレウス・スポーツ・フォー・グッドの支援や取り組みにより、97,960人もの子どもや若者がロックダウン中でも社会からの孤立感を感じなくなったことが示されています。ロックダウン中に世界各地で学校が閉鎖される中、ローレウスとパートナーは98,354人の子どもや若者が積極的に学業に参加する、あるいは修了できるよう支援を行いました。
家庭内暴力が増加する中、10,337人の子どもや若者が、女の子や女性への暴力に対して行動を起こしました。53,945人の若者が雇用の機会を得るために必要な技術的スキルを学び、39,772人が職業体験やインターンシップの機会を得ることができました。
ローレウス・スポーツ・フォー・グッドの最高責任者アダム・フレーザーは「たくさんの女の子や若い女性がこれらのスポーツを通じて成長し、リーダーシップを発揮しているのを目にして、とても勇気づけられます。しかしこれはあるスポーツが他のスポーツよりも優れていることを示しているわけではありません。最終的には、スポーツはどのように提供されるべきかということになります。それは、包括的で、若者の社会的・情緒的な学習や、身体的・精神的な健康をサポートするように設計された、質の高い、意図的なコーチングを介して行われます」
「2000年にローレウスが創設されてから、私たちは600万人を超える若者の生活を向上させてきました。スポーツ・フォー・ディベロップメントはチームプレーです。力を合わせることで、私たちはどんな困難も乗り越えられると信じています。ロックダウンや社会的な隔離が必要な時代であっても、それは変わらないのです」とコメントしています。